1月みたもの

 

人と話をしたりする時、感想が出てこないのが嫌なのでこれから見たものとか読んだものの感想を書くようにしたい。

あと忘れるし。好きな映画10個挙げて、と言われたらそのうち半分くらいは内容殆ど覚えてない(軽度認知症?)。

大した内容はない。

 

『おいしいごはんがたべられますように』

芥川賞受賞ということで読んだ(遅いだろ)。

面白かった。自分が普段思ってるけどこれ思っちゃ人として良くないよなぁという部分を言語化された感じ。俺の周りにも芦川さんはいるし、俺の心には二谷が確実に存在している。

芦川さんは「細やかな人」って言われるんだろうけど、自分だけ早帰りしてその時間にお菓子を作って配って感想を求めるなどという行為は無神経で図太い人間にしか出来ないと思う(本人は感想を求めてるつもりは無いだろうが、そんなもの「おいしい」のカツアゲに等しい)。弱い人間だから、という理由で守られているのが腹立つのもわかる。

ただ、主人公は何かがすり減っている、とも感じる。主に仕事なんだろうけど、家のことから全部一人でやってその割に誰も褒めてくれない、ねぎらいも休みもない、そういう環境で生き抜くために、読書みたいな色々な「無駄」を省いた結果ああいう感じ方をするようになった部分もあると思う。

自分も周りの「芦川さん」に対してなんでお前の気配りに俺が付き合わされなきゃいかんの?と思うことはあるし、家に帰ってからそう思う自分を戒めることも多々ある。

やさしい人間でありたい、と思うけどやさしい人間でいることはつらいししんどい。

 

『Sonny boy』

俺は一人でいることが好き。でも心のどこかでは自分のことを完全に理解してくれて自分を超えた考えを持つ人を求めてる。でもそんなものは存在しなくて、その断片を持つ人間を探すために勇気を持って外に飛び出していくこと、自分で考えて行動することが少年から青年への成長なんだ、と言いたい作品だと思うし俺はそう思う。エヴァか?俺はまだ少年。

クラスメートは各々やりたいことを見つけ、長良もやる事を見つけたから一度希から離れた。離れられなかったやまびこはこだまを失った(犬=言いなり)。朝風は最後まで親離れ出来なかったが、さくらは子離れをした。

でも一つ言いたい!希との約束、書けよ!!!!

約束を果たさなかったのは彼の人生が作品の中で完結していないから、ということなのかもしれないけど全13話の作品である以上最後は「友達になりませんか」で締めるべきだと思う。君の名はみたいで陳腐だねと言いたければ言えばいいと思うけど、作品の後を想像させるのは長良と希や瑞穂のこれからの人生が重なるかとかそういうことであって作品中で約束したことなら作品で書き切るかせめてそれを言うことがほぼ確定される演出だろ!!!!と思った。あれじゃ薄くない?

 

『熱帯』

実は一年以上前に買っていたけど、面白さが分からなくて積んでいた。森見登美彦の面白さって現実に混ざるちょっとした不思議と、圧倒的な登場人物のコミカルさと文体文章のコミカルさだと思うのだけれど、熱帯では不思議を前面に出してコミカルさがなかったから途中で読むのをやめていた。

一年以上経ってついに一から全部読んだ訳だが、やっぱり他の森見登美彦作品と比べて俺は面白くないと思う。こんな入れ子入れ子入れ子マトリョーシカみたいな訳の分からない話を書けるのはすごいと思うけど。

確かに前半の熱帯とは、と追いかけるところは引き込まれたけど最終的な熱帯の内容がうーんという感じ。熱帯というのは自分の中にある物語の世界のこと?それを読んだものは熱帯の中の主人公として取り込まれそこから出ていくにはパラレルな時空に飛ぶから読めない?と考えたけどこれは後記の内容と矛盾するのかな。

 

Gのレコンギスタ(劇場版1-3)

富野は毎回毎回説明少ないんだよ(マジギレ)!!!!!!!!!というのが初めの方の感想。流石についていけなくて途中で用語を調べてしまった。

チアは不要だとしか思えない。

世界観が分かってくると割と面白かった。正直Gレコって富野の駄作みたいな語られ方してるのをよく見てたので避けてたけど思ったより普通に見れるという感じ。ただ主人公その他登場人物の感情に入りにくいというか、「わだかまりが生じる→それが視聴者に提示される」までの間がめっちゃ長いので「こいつさっきまでなんとも言ってなかったのに急に発作起こしてどうした?」となってしまう。

三作のアマプラの評価、1が滅茶苦茶低いのに2と3はめっちゃ高いの、ふるいにかけられてトミシンだけが残ってる感じがして笑った。

 

『ハーモニー』

伊藤計劃を読め!

はい......

ということで読んだ。

watchmeのシステムとかSF的要素、ユートピアのようで息苦しい世の中など面白かった。「これをすることが正しい」「あれをしていないなんてありえない」みたいな同調圧力的空気の強い日本だからこそ生まれた世界観なのかなぁと思ってみたり。

自分がコロナ禍をある程度生きているタイミングでこの本を読めたのは良かったかな、と思う。主にコロナ禍そのものと言うよりそれに伴うマスク等の問題についてではあるけど色々な人の意見を見たり考えたりする機会が多かったので。コロナ禍以前にこの本読んでたらほとんど感想出てこなかったと思う。面白いとは思うのだけれど。

 

涼宮ハルヒの分裂』『涼宮ハルヒの驚愕(上下)』

長いしダラダラしている。

去年ハルヒを一気買いしてからコツコツ読んでいたが分裂で初めて一旦置いとくかこれ、となった。年が明けてまた読み始め、驚愕の後半ぐらいからようやく面白いかなと思えるようになり一気に読んだ。ただ憂鬱〜憤慨に比べると面白さは1段減るかなと思う。やりたいことはわかるし二つの世界線を同時並行で描くというのは面白いけれども、あれだけこまめに世界線を行き来されると頭が混乱するしどちらかに没頭できない。敵サイドのキャラもなんか好きになれないなぁという人ばかりだったしなんとも微妙だった。

あと古泉長門朝比奈さんの出番が少なすぎる。SOS団を見に来てるのにずっと似非SOS団の出番ばっかり見せられると辛い。

せめて世界線合流までのαとβをそれぞれまとめて書いてから世界線合流を解決編のように出してくれれば読みやすかったかなぁと思う。話自体が面白くなかったというより読みづらさの点が気になった。

 

涼宮ハルヒの直感』

これだよこれ!これが読みたかった!

俺が求めていたのはSF的難解小説ハルヒではなくSOS団ハルヒに振り回されながらわちゃわちゃする話なんだよな。三編どれも好きだけど一番は七不思議回。個人的にキョンと古泉の掛け合いが好きなので濃厚な二人の絡みが読めてよかった。ラストのハルヒの態度も団員を信頼してる感があって好き。

ただ一つだけ言いたいのは鶴屋さんの回のやる気ない大学生のレポートみたいな引用アンド引用アンド引用の下り、クソつまんなかった。というか読み飛ばした。あとがきでこれがやりたかった、みたいな旨書いてたけど前作までの平行世界といい谷川さんって構成的にやりたいことはやらせたらいかん人なのではないかと感じた。でも久々のハルヒシリーズとしては十二分に面白い作品だった。

 

虐殺器官

伊藤計劃を読め!

はい...(デジャヴ)

面白かった。ミリタリー物は割と好きなのでハーモニーよりこっちの方が好き。世界観はハーモニーの少し前、という感じ。今でこそウクライナについて皆関心を持ってるけど実際ここ10年だけでも世界中では俺の知らない戦争が起こってるしそれについてニュースでちらっと見ることはあっても心の底から心配したりしない。それよりもアニメの最新回がどうなるかとかそんなことの方がよっぽど大事だ。他の国で戦争が起こることで自分たちが確実に平和に暮らせるのなら俺はジョン・ポールを批判できない。多分人と話しをする時はそんなこといけないよね、って言うと思うけど心の底では良かったと安堵していると思う。そういう意味で主人公が死体を山ほど見てきた兵士であることに意味があるのかな、と思ったりした。

 

アウトポスト

さすがに映画見て無さすぎるかもしれないと思って見た。ミリタリー物は頭空っぽでみれるのでいい。多分他の人にとってのMARVEL映画ぐらいの感覚でミリタリー物見てる。非道い。ラストのヘリでの報告を聞いた時、あぁこれはフィクションじゃないんだなぁと思った。

小さい基地のなかってことで戦闘中のワンカットっぽい映像の回し方が面白いなと感じた。

映画にあってアニメに無いものって圧倒的な現実感だと思っていて(だから映画の方が好き)、そのうえで戦争物は常に死と隣り合わせという緊張感があるから好きだということを再確認した。

 

おわり

いざ振り返ると俺全然アニメも映画も本も見てねぇなと思った。

人生そんなもんか!!